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たとえば、ともにスポーティなフィーリングが好みでも、スポーツカーユーザーとミニバンユーザーとでは、理想とする乗り味は大きく違うもの。だから、サステックやジーティー、デバイドの設計はクルマのキャラクターをいかす車種別の専用設計。ミニバンタイプなら、特性である快適さを絶対に犠牲にしない方向で。スポーツカーユーザーが好むクイックな運動性能ではなく、安定感を軸にスムーズな走りを演出します。人をみても、その人の胸の内は想像できない。でも、愛車をみれば、その人の志向や好みは想像できるものです。
まずは純正を知る。サステック、ジーティー、デバイドの開発は純正の仕様解析からスタートします。もちろんそれはカスタムスプリングも車高調も同じで、完成したプロトモデル(試作品)は、車種ごとに実車装着して、フィッティングやダウン量、干渉、異音といった項目を徹底検証。車種ごとに現車合わせで仕立てるから、機能はもちろんフィッティングも抜群。サステックやジーティー、デバイドに、コストダウンのための流用といった考え方は一切ありません。 - ユーザー目線で試す、テイスティング・ラン
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新開発のプロダクトは、1台1台実車に装着して、ハンドリングやライド感をテイスティングする。そして、納得がいかなければ何度でも作りなおす。これも他にはないtanabeの特徴です。理由は不満のないパフォーマンスを約束するため、スタイリッシュなローダウンをこの上ない完成度でお楽しみいただくためです。ちなみに実走テストでは、フル乗車での乗り心地も検証。サステック、ジーティー、デバイドはオールラウンドでのGOODスタイル&GOODフィーリングを約束します。
サスペンションのテイスティングに特別なコースは必要ありません。誰もが日常的に使う公道こそがベストシチュエーション。乗り心地はもちろん、段差やワダチ、ウエットなどのスリッピー路面、さらに予想外の急ハンドルや急ブレーキ操作時のクルマの動きまで。バーチャルではなくリアルな状況下でtanabeのアイテムは徹底的にテストされます。

タナベがスプリングに使用する線材は高周波誘導加熱処理が施された特別なバネ材。さらに、この鋼材の特性を活かし切る設計・製法で、2100N/㎟もの引っ張り強度を得ています。ちなみにこれは一般的なスプリングに比べて10%以上も高い数値。マテリアルからしてサステックのスプリングは高性能で高品質。しなやかな強靭さはスーパーフォーミュラをはじめレーシングの世界でも大活躍しています。
鋼材を常温で巻きあげる冷間成形の利点は、高強度でヘタリに強く、さらに初期反発が穏やかなスプリングを製造できること。踏ん張りがきくのに、硬く感じない。そんな文字通りしなやかなフィーリングのスプリングに仕上がります。ちなみにタナベのコイリングマシンは、線径14㎜以上の鋼材を常温で巻き切れる強力さ。サステックやジーティー、デバイドのスプリングの切断面が粗いのは、じつはこの高度な冷間成形が採用されている証なのです。
リン酸と亜鉛を主成分とした処理液を鋼材の表面で化学反応させ、
強固に密着したリン酸亜鉛結晶の被膜を形成。鋼材表面の結晶は、万が一キズがついた場合でも、周囲にサビが広がるのを防ぎます。また、ザラザラとした結晶の隙間に塗装が入り込むことにより密着性が高まり塗膜を剥がれにくくする効果も得られます。(アンカー効果)
カチオン電着塗装は水溶性電着塗料の中に被塗物(スプリング)を
浸漬させ、直接電流をかけることで塗料を付着させる塗装方法。複雑な形状の被塗物であってもピンホールがなく均一で密着性の高い塗膜を形成出来るため、極めて高い防錆性能を誇ります。タナベのスプリングは自動車のアームやメンバーに施す13ミクロンよりさらに塗膜の厚い16ミクロンのカチオン電着塗装が施されます。
マイナスを帯びた塗料を対象物の表面に吹き付けた後、焼き付けをおこなうことで、塗料に含まれるポリマーが融解し密着します。塗装対象が空気に触れにくい特性から、優れた防錆性を発揮。さらに溶剤塗装の4〜5倍の厚さの塗膜があるため、強度が高く、キズに強いほか、耐熱性や対油性にも優れています。また、塗膜に柔軟性があり伸縮するためひび割れしにくく、寿命も長くなります。
耐久テスト
タナベがパートナーシップを結ぶKYB(ケー・ワイ・ビー)は油圧機器の国内最大手。PRO Seriesに組み込まれるダンパーは、トヨタのプレミアムブランドであるレクサスの純性ダンパーと同じファクトリーで開発、製造されています。タナベが同社をパートナーに選んだのは、圧倒的な技術力や品質の高さはもちろん柔軟で真摯なモノづくりに対する姿勢。より快適でより高性能なサスペンションの開発に共に取り組めるメーカーだと考えたからです。 



